「水道修理の技術を活かして独立したいけど、何から始めればいいの?」「開業資金はどれくらい必要?」そんな疑問をお持ちのあなたへ。
この記事では、水道修理業者として独立・開業するための3つの選択肢(個人事業主、法人化、フランチャイズ加盟)と、それぞれのメリット・デメリット、具体的な開業までの流れを詳しく解説します。
必要な資格や手続き、集客方法、資金調達のポイントなど、知っておくべき情報を幅広くご紹介。独立開業の夢を叶えるための第一歩を踏み出しましょう。
- 水道修理業者として独立・開業する3つの選択肢
- 水道修理業者として独立・開業する際の一般的な流れ
- 水道修理業者として独立・開業するメリット
- 水道修理業者で独立・開業する際の注意点
水道修理業者として独立したい方、キャリアに悩んでいる方はぜひ最後までご覧ください。
水道修理業者として独立・開業する3つの選択肢
水道修理業を営むには、基本的に資格は不要です。そのため、初期費用が安く済むなど、独立しやすい業界と言えるでしょう。
こうした、水道修理業で独立・開業するには、主に3つの選択肢があります。
- 選択肢①|ひとり親方(個人事業主)として独立
- 選択肢②|フランチャイズとして独立
- 選択肢③|オーナー会社して独立
ここからは、それぞれの選択肢について詳しくご説明します。
選択肢①|ひとり親方(個人事業主)として独立
1つ目の選択肢は、ひとり親方として独立することです。
売り上げがすべて自分に入ってくる一方で、1人で営業から施工、経理まで対応する必要があり、開業届や青色申告も行わなければなりません。ある程度売り上げが立つようになってきたら、人を雇って組織を拡大させていくことも視野に入れてみましょう。
また、一人親方として独立するだけでなく、個人事業主同士で、元同僚など数名とチームを組んで始める場合もあります。この場合でも、一人親方と同様に開業届や税金周りの知識を身につけておくことが重要です。
開業資金は、必要備品などの購入費用として、10万円から50万円程度あると良いでしょう。ただし、前職で既に備品を所有している場合は、初期費用をかけずに開業することも可能です。また、個人事業主の申請などの事務手続きには、2週間から1ヶ月程度かかる場合があります。
項目 | 内容 |
---|---|
開業資金 | 10万円~50万円程度※必要備品費用 |
設立期間 | 2週間から1ヶ月程度 |
選択肢②|フランチャイズとして独立
フランチャイズとは、大手水道修理会社のブランドやノウハウを利用して独立する形態です。集客や営業、研修などのサポートを受けられるため、未経験者でも安心して開業できます。また、知名度のあるブランドを利用できるため、集客力も期待できます。
しかし、加盟金やロイヤリティが発生するため、開業資金が高額になる傾向があります。また、本部のルールに縛られるため、自由度が低いというデメリットもあります。
開業資金は100~300万円程度必要です。設立期間は、フランチャイズ加盟手続きや研修期間等を含めて1ヶ月〜3ヶ月程度を見越しておきましょう。
項目 | 内容 |
---|---|
開業資金 | 100~300万円程度 |
ロイヤリティ | 売上の5~10%程度 |
設立期間 | 1ヶ月~3ヶ月程度 |
選択肢③|オーナー会社として独立
3つ目の選択肢は、オーナー会社として独立することです。資金を自分で用意し、会社を設立するところからスタートします。
個人事業主で始めて軌道に乗ったら法人化するケースが一般的です。
法人化すれば社会的信用がアップして仕事が取りやすくなるため、早い段階で軌道に乗れるよう工夫しましょう。
また、開業に必要な資金は、必要備品や法人登記費用などを含め、少なくとも20万円から70万円程度は準備しておきましょう。
項目 | 内容 |
---|---|
開業資金 | 20万円~70万円程度 |
設立期間 | 1ヶ月※法人登記にかかる期間 |
水道修理業者として独立・開業する際の一般的な流れ
水道修理業者として独立・開業する際の一般的な流れは以下の通りです。
- STEP①|必要な資格や免許を取得する
- STEP②|工事に必要な道具を用意する
- STEP③|仕事を獲得する
ここからは、それぞれのステップを詳しく説明します。
STEP①|必要な資格や免許を取得する
水道修理業を始める第一歩は、必要な資格や免許を取得することです。ただし、基本的には水道修理業を営む上で資格は必須ではありません。初期費用も安く済むため、比較的独立しやすい業界と言えるでしょう。
無資格であっても、蛇口のパッキン交換、蛇口レバーの交換、断熱材や保護材の交換など、軽微な工事であれば知識と技術があれば誰でも施工できます。
しかし、水道周りの工事の中でも、上水道や下水道など、人々のインフラに関わる部分の工事には資格が必要になります。対象工事毎に、必要な資格をまとめました。
資格名 | 概要 | 対象工事 |
---|---|---|
給水装置工事主任技術者 | 給水装置の工事をするうえで必要な国家資格 | 道路下の配水管から家の中にある蛇口までの給水管や給水用具(給水管、止水栓、蛇口など)に関する工事 |
排水設備工事責任技術者 | 排水設備の工事を行う上で、必要な公的な資格 | キッチンやトイレなどの排水口から公共設備である下水道に流すまでの設備に関する工事 |
管工事施工管理技士(管工事) | 空調設備・ガス配管工事など、給水・排水工事以外にも広く配管の工事をするうえで必要な国家資格 | 水道管やガス管などの配管工事 |
水道技術管理者 | 水道の維持管理をするうえで必要な国家資格 | 水道施設の管理や運営 |
自身が独立するにあたり、どの工事を行うかによって必要な資格も変わってくるので、事前にしっかりと調べておくことが大切です。場合によっては、独立後に必要な資格を取得することも検討できます。
STEP②|工事に必要な道具を用意する
2つ目のステップは、工事に必要な道具や車両を用意することです。ドライバーやウォーターポンププライヤー、モンキーレンチ、懐中電灯やパッキンなど必要なものは多岐に渡ります。また、移動用の車も忘れずに用意しましょう。
水道局の1次側(水道本管)の工事を請け負うためには、一般的に500万円以上の資本金が必要とされています。これは、通常の運転資金に加え、専門的な工事機材一式や営業車両などの初期投資に500万円以上かかるためです。
独立・開業前に、資金計画をしっかりと立て、必要な資金を準備しておきましょう。
STEP③|仕事を獲得する
3つ目のステップは案件の獲得です。独立したら、自分で仕事を獲得しなければなりません。スキルを磨いても集客や営業をしないとお客様は来ないため、工夫して営業活動を行うことが大切です。オフライン・オンラインの両軸を視野に入れ、集客を行いましょう。
また、案件を取ったとしても、受注率や単価を上げる営業力も必要になります。これらの「案件獲得力」は、独立した後に非常に重要になるので、日頃から意識してスキルアップを目指しましょう。
水道修理業者として独立・開業するメリット
水道修理業者として独立・開業するメリットは3つあります。
- メリット①|年収の上限がなくなる
- メリット②|仕事量を自分で調整できる
- メリット③|経験が浅くても独立しやすい
- メリット④|需要が安定していて安定的に仕事が発生する
ここからは、それぞれのメリットについて詳しく解説します。
メリット①|年収の上限がなくなる
まずは、何と言っても年収の上限がなくなることです。水道修理業者の会社員だと年収は400万円前後と言われていますが、独立すると年収は500万円〜数千万円と大幅にアップします。
リスクも伴いますが、上手くいけば会社員の何倍も稼ぐことができます。
メリット②|仕事量を自分で調整できる
次に、仕事量を自分で調整できることです。休みの日は自分で決められるため、旅行などで長期休暇を取りたい場合も自由に休むことができます。
稼働時間も自分で決められるので、朝が弱い方でも安心して仕事のスケジュールを組むことが可能です。
メリット③|経験が浅くても独立しやすい
最後に、経験が浅くても独立しやすいことです。未経験であっても実務を数年経験すれば、独立できます。
業界によっては何十年も下積みしなければならない場合がありますが、水道修理業者の場合は数年程度の経験値であっても独立が可能です。
メリット④|需要が安定していて安定的に仕事が発生する
水道修理業は、私たちの生活に欠かせない「衣食住」の中でも特に「住」に密接に関わる仕事です。水は、料理、洗濯、入浴など、日常生活のあらゆる場面で使用されており、水道トラブルは、人々の生活に大きな影響を与えます。そのため、水道修理のニーズは常に高く、安定した仕事量が見込めます。
また、近年では、地震や台風などの自然災害による水道トラブルも増加しており、水道修理業者の重要性はますます高まっています。
また、水道修理業は、個人宅だけでなく、マンションやビル、店舗など、様々な場所で需要があります。そのため、ターゲットとする顧客層を広げやすく、事業拡大の可能性があります。
水道修理業者で独立・開業する際の注意点
水道修理業者で独立・開業するには以下の注意点も存在します。
- 注意点①|水道修理のスキルを身につける必要がある
- 注意点②|ネットワーク作りに努めなければならない
- 注意点③|集客に関して勉強する必要がある
ここからは、それぞれの注意点について詳しく解説していきます。
注意点①|水道修理のスキルを身につける必要がある
1つ目の注意点は、当たり前ですが水道修理のスキルを身につける必要があることです。
水道修理業は技術職であるため、高いスキルが不可欠です。お客様に満足してもらうためには、確かな技術力はもちろんのこと、顧客満足度を高めるための丁寧な対応や説明も重要です。
なぜなら、顧客満足度が向上しなければ、良い評判が広がらず、リピートや紹介にも繋がらないからです。技術者として常にスキルアップを心掛け、お客様に信頼されるサービスを提供できるように努めましょう。
教材を使って勉強するだけでは実践の場で活かされないため、実務でしっかりとスキルを習得する必要があります。まずは独立前に修行に入り、技術を習得しましょう。
注意点②|ネットワーク作りに努めなければならない
2つ目の注意点は、ネットワーク作りに努めなければならないことです。同業者や関連業者とのつながりを持ち、情報交換や協力関係を築くことを意識しましょう。
水道修理業は地域密着型の業態であるため、地域コミュニティとの関係を構築することで、口コミや紹介を通じて「案件」を獲得できる可能性が高まります。例えば、マンションの管理会社と提携し、入居者からの水回りトラブルに対応するといった事例もよく見られます。
また、地域コミュニティだけでなく、ハウスメーカーや工務店、不動産会社などと協力関係を築くことも有効です。これらの企業は、顧客から水回りトラブルの相談を受ける機会が多いため、信頼できる水道修理業者を紹介することで、顧客満足度を高めることができます。
注意点③|集客に関して勉強する必要がある
3つ目の注意点は、集客に関して勉強する必要があることです。独立後は自分で仕事を取らないといけません。実務経験があっても仕事を取れるとは限らないため、集客の勉強は必須です。
特にWebを使った集客は実施した方が効果的です。Web集客は専門的な業者に外注することも視野に入れてみましょう。
開業後にはとにかく集客に力を入れていく必要がある
開業後は、売り上げを立てるためにもとにかく集客に力を入れていく必要があります。おすすめの手法は以下の3つです。
- 手法①|ポスティング
- 手法②|リスティング広告
- 手法③|ネットワーキング
ここからは、それぞれの手法について詳しく解説していきます。
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水道修理業者におすすめの集客方法とは?失敗する原因もあわせて解説
手法①|ポスティング
1つ目の手法はポスティングです。チラシを直接顧客のポストに投函する集客方法で、地域密着型の水道修理業にとって、ターゲットを絞ったポスティングは効果的な集客手段と言えます。
チラシのデザインや配布エリアを工夫することで、より多くの顧客を獲得できる可能性があるため、配布する前によく考えてから実施しましょう。
手法②|リスティング広告
2つ目の手法はリスティング広告です。リスティング広告は、検索エンジンの検索結果ページに表示される広告のこと。
「水道修理」「水漏れ」などのキーワードで検索したユーザーに広告を表示することで、潜在顧客にアプローチできます。
費用対効果の高い広告運用を行うためには、キーワード選定や広告文の作成に工夫が必要なので、専門業者に頼ることも検討しましょう。
手法③|ネットワーキング
3つ目の手法は、ネットワーキングです。地域の関係者とのネットワークを構築することも、集客に繋がります。
不動産会社や管理会社、リフォーム業者などと連携することで、紹介案件を獲得できる可能性が高まります。
また、異業種交流会などに参加し、人脈を広げることも有効です。商工会議所等に加盟するのも一つの選択肢なので、検討してみましょう。
水道修理業で独立した人の失敗談
水道修理業者として独立する前に、できるだけ不安は払拭しておきたいですよね。実際に、水道修理業者として独立した人の失敗談を見て、事前に対策をしておきましょう。
また、Youtubeで水道業者として独立したフカミン様は金銭的な面で後悔している点について話していました。
「初期投資が思いのほかかかってしまった….」
「材料費を支払える資金を貯めておくべきだった….」
水道屋独立。半年たった今…生か死か
また、取引の中で発生したトラブルですと以下のようなものがありました。
「新築工事の時に鍵の受け渡しトラブルによって裁判寸前の問題になった」
「斫り工事の振動クレームが辛かった」
「談合に協力しなかったため嫌がらせの連続で辞めてしまった」
引用元:今年から水道屋で 独立するんですが、現在すでに独立経験がある方の失敗談をできるだけ教えていただきたいです。Yahoo!!知恵袋
このように、事業を進める中で、人間関係や金銭面で失敗してしまうケースも少なくありません。独立前にどのようなリスクがあるのかを把握し、事前に準備しておくことが大切です。
まとめ:水道修理業者が独立・開業を成功させるには集客が大切
今回は、水道修理業者として独立・開業するための3つの選択肢(個人事業主、法人化、フランチャイズ加盟)と、それぞれのメリット・デメリット、具体的な開業までの流れを説明しました。
水道修理業者として独立するには、技術の習得だけでなく自分で集客する力を付けることも重要です。
これから水道修理業者として独立しようとしている方は、Webでの集客も視野に入れてみてはいかがでしょうか。