コールトラッキング(電話効果測定)完全ガイド|仕組みやおすすめのツールを徹底比較!

コールトラッキング(電話効果測定)とは、電話でのお問い合わせから、ユーザー情報を計測・分析することです。

トラッキングの中でも電話の効果測定は、オンラインの施策と比較して計測や分析がしにくい傾向にあります。

しかし、電話計測ができるコールトラッキングを活用すれば、コンバージョンの計測はもちろん、着信ログの管理・分析、通話録音などを活用することで、より詳細な顧客の行動を把握することができます。

今回の記事では、コールトラッキングとは何か、仕組みやメリットと併せてご紹介します。コールトラッキングツールの比較も行いますので、電話の効果測定に悩んでいる企業のマーケティング担当者などの方はぜひ最後までご覧ください。

▼この記事でわかる内容
  • コールトラッキングとは
  • コールトラッキングの仕組み
  • コールトラッキングで使える機能の例
  • コールトラッキングの4つのメリット
  • 各社のコールトラッキングツールを比較

コールトラッキングとは

コールトラッキングとは、顧客が電話をかけてきたきっかけを分析するためのツールです。どの広告、Webサイト、チラシなどを見たのか、あるいは他の経路で電話番号を知ったのかを把握することができます。

具体的には、以下のような情報を把握することができます。

  • 入電時間
  • 通話経路
  • 流入経路
  • 通話録音
  • 発信者の電話番号
  • 広告媒体別の電話数

これらの情報を分析することで、マーケティング戦略の改善や顧客満足度の向上に役立てることができます。

コールトラッキングの仕組み

ここでは、コールトラッキングの仕組みについて解説します。コールトラッキングは、以下の3つの要素で成り立っています。

  • 複数の電話番号の使い分け
  • CookieやセッションIDの活用
  • 電話番号の転送

以下でそれぞれ詳細に解説していきます。

仕組み①|複数の電話番号の使い分け

Webサイトや広告ごとに異なる電話番号を用意し、それぞれに専用のトラッキング番号を割り当てます。ユーザーがどの番号に電話をかけてきたかを識別することで、どの経路から問い合わせがあったのかを把握できます。

▼例
  • チラシA:03-XXXX-1234
  • チラシB:03-XXXX-5678
  • Webサイト:03-XXXX-9012

このように電話番号を分けることで、ユーザーがどの広告を見て電話をかけてきたのかを特定できます。

仕組み②|CookieやセッションIDの活用

Webサイトにアクセスしたユーザーには、CookieやセッションIDと呼ばれる固有のIDが付与されます。ユーザーがWebサイト上の電話番号に電話をかけると、コールトラッキングシステムはこのIDと電話番号を紐づけて記録します。

これにより、どのWebページから電話問い合わせに至ったのかを正確に追跡することができます。

仕組み③|電話番号の転送

ユーザーがコールトラッキング用の番号に電話をかけると、その番号はシステムによって本来の電話番号に転送されます。この転送の過程で、発信元の電話番号やアクセスしたWebページなどの情報が記録されます。

これらの仕組みを組み合わせることで、コールトラッキングは、

  • どの広告やWebページから電話がかかってきたのか
  • どのキーワードで検索して電話をかけてきたのか
  • 電話してきたユーザーがWebサイトでどのような行動をとったのか

などを分析することができます。

コールトラッキングで使える機能の例

コールトラッキングツールには、様々な機能が搭載されています。 ここからは、一般的なコールトラッキングに搭載されている基本機能をご紹介します。

▼コールトラッキングで使える機能の例
  • 機能①|着信ログの管理・分析
  • 機能②|通話録音
  • 機能③|自動メール送信
  • 機能④|IVR(自動応答システム)
  • 機能⑤|キーワード計測

機能①|着信ログの管理・分析

着信ログの管理・分析機能は、顧客からの着信履歴を記録し、分析できる機能です。

この機能により、

  • 着信日時
  • 発信元電話番号
  • 着信元地域
  • 通話時間
  • 通話内容
  • 対応した担当者
  • 顧客属性(顧客管理システムと連携している場合)

などの情報を得ることができます。

これらの情報を分析することで、顧客の行動パターンやニーズを把握し、マーケティング戦略に活かすことができます。

例えば、18時~20時に着信が集中しているというデータが得られた場合、この時間帯は顧客からの問い合わせが多いと判断し、人員を増やす、Webサイトにチャットサポートを追加するなどの対策を検討できます。

機能②|通話録音

通話録音機能は、顧客との通話を録音し、後から確認できる機能です。

録音した音声を後から確認することで、顧客対応の質の向上や顧客のニーズ把握、トラブル発生時の原因究明などに役立ちます。

例えば、顧客との通話内容を分析することで、顧客対応の改善点を発見することができます。 新人従業員の教育などに活用することで、顧客対応のスキル向上にもつながるでしょう。

機能③|自動メール送信

自動メール送信機能は、顧客が電話をかけた後に、自動的にメールを送信する機能です。

顧客に感謝の気持ちを伝えると共に、Webサイトやキャンペーン情報などを掲載することで、顧客とのエンゲージメントを高められます。

また、顧客が電話をかけた理由をヒアリングするアンケートをメール送信することもでき、回答によって顧客のニーズをより深く理解できるでしょう。

機能④|IVR(自動応答システム)

IVR(自動応答システム)は、顧客の電話を自動で応答し、適切な担当者につなぐ機能です。

顧客は音声ガイダンスに従って番号を入力することで、目的の窓口や、担当者につながることができます。

 IVRを導入することで、担当者は顧客対応以外の業務に集中することが可能ですし、顧客は待ち時間を減らすことができ、顧客満足度の向上につながります。

機能⑤|キーワード計測

キーワード計測機能は、顧客がどのようなキーワードで検索して電話をかけてきたのかを計測する機能です。

この機能により、どのキーワードで検索した顧客が電話問い合わせに至りやすいのかを把握することが可能です。

例えば、「〇〇 価格」というキーワードで検索した顧客が多い場合は、価格を重視する顧客が多いと推測できます。そこで、Webサイトに価格表を掲載したり、キャンペーン情報などを掲載することで、顧客のニーズに応えることが可能になります。

コールトラッキングを導入することで成果を出せる業界

コールトラッキングは、さまざまな業界で導入されています。 特に、以下の業界では高い効果が期待できます。

▼コールトラッキングを導入することで成果を出せる業界
  • 業界①|顧客との電話コミュニケーションが有効な業種
  • 業界②|地域密着型ビジネス
  • 業界③|顧客ニーズの緊急性が高い業界

業界①|顧客との電話コミュニケーションが有効な業種

顧客との電話コミュニケーションが有効な業種では、コールトラッキングを導入することで、顧客対応の質向上や顧客満足度向上に繋がる可能性があります。

特に、以下のような業種では、電話コミュニケーションが重要な役割を果たし、コールトラッキングの導入効果が期待できます。

▼電話コミュニケーションが重要な業界の特徴
  • 高額な商品・サービスを扱う業界
  • 複雑な商品・サービスを扱う業界
  • 顧客との長期的な関係構築が重要な業界

なぜなら、電話コミュニケーションは、テキストベースのコミュニケーションに比べて、より多くの情報を、より豊かに伝えることができるからです。

具体的な業種としては、以下が挙げられます。

業界活用事例
不動産業界物件の内見予約、問い合わせ対応、物件情報の提供、顧客情報の収集
住宅リフォーム・建設業界詳細説明、見積もり依頼への対応、施工事例の紹介、顧客満足度調査
自動車販売・整備業界車種やオプション、ローンなどに関する相談、試乗予約、アフターサービスの案内
保険業界保険商品に関する説明、相談、見積もり作成、契約手続きの案内
金融業界投資信託、ローンなど金融商品に関する相談、口座開設の案内、資産運用のアドバイス
人材紹介・派遣業界求人内容の確認、応募、面接調整、求職者への情報提供
教育業界学習塾、オンラインスクール等のカリキュラム、料金に関する問い合わせ、体験授業の申し込み、学習相談
医療・介護業界病院、クリニック、介護施設の予約、問い合わせ対応、医療情報提供、健康相談
BtoBビジネス企業間取引における商談、交渉、見積もり作成、受発注管理、顧客サポート

業界②|地域密着型ビジネス

地域密着型のビジネスにおいて、コールトラッキングは顧客獲得のための重要な手法となり得ます。

▼対象となる業種例
  • 飲食店
  • 小売店
  • 美容院
  • エステサロン
  • 学習塾
  • 病院
  • 歯科医院
  • 整骨院

これらのビジネスでは、地域住民をターゲットとする場合、Webサイトやメールよりも電話による問い合わせや予約を好むユーザーが多い傾向にあります。これは、電話によるコミュニケーションの方が、より迅速かつ確実な情報伝達を期待できるためと考えられます。

そのため、地域密着型ビジネスにおいては、電話経由の顧客獲得を重視することが重要となります。

コールトラッキングを導入することで、顧客がどの広告媒体を見て電話をかけてきたのかを正確に把握することができます。

業界③|顧客ニーズの緊急性が高い業界

水道修理や不用品回収、害虫駆除などの、ユーザーのニーズの緊急性が高い業界は電話で問い合わせをしてくる顧客が多い傾向があります。

▼ニーズの緊急性が高い業界の例
  • 水道修理
  • 不用品回収
  • 害虫駆除
  • 鍵修理
  • (その他、ハウスクリーニング、リフォーム、ロードサービスなど)

ユーザーが今すぐ解決したいと考えている問題に対応するこれらの業界では、迅速な対応が求められます。コールトラッキングを導入することで、顧客の問い合わせ経路を把握し、Webサイトや広告の改善に役立てることができます。

これにより、顧客満足度を高めながら、効率的な集客を実現し、費用対効果の高いマーケティング施策を実施することができます。

コールトラッキングを活用する3つのメリット

コールトラッキングを導入することで、さまざまなメリットを得られます。 主なメリットは以下の通りです。

▼コールトラッキングを活用する3つのメリット
  • メリット①|費用対効果の把握によるコスト削減
  • メリット②|不在時・通話中の機会損失を防ぐ
  • メリット③|営業効率の向上と成約率アップ

メリット①|費用対効果の把握によるコスト削減

コールトラッキングを導入すると、どの広告媒体から電話がかかってきたのかを正確に把握することができます。

従来のアクセス解析では、Webサイトへの訪問者数やページビュー数などを分析することはできても、電話による問い合わせを正確に計測することは困難でした。 

しかし、コールトラッキングツールを利用することで、どの広告やキーワード、Webページから電話問い合わせが発生したのかを正確に追跡することが可能になります。

これらの情報を分析し、費用対効果の高い広告媒体やキーワードに予算を集中投下することで、無駄な広告費を削減し、コスト削減を実現できます。

メリット②|不在時・通話中の機会損失を防ぐ

コールトラッキングツールは、通話情報を蓄積する機能を備えています。担当者が不在時でも、顧客情報が残せるため、営業時間外や不在着信による機会損失を防ぐことができます。

さらに、ツールによっては、顧客から営業時間外や担当者が通話中に電話がかかってきた場合でも、あらかじめ設定した別の番号(例:携帯電話やコールセンター)へ転送したり、担当者へメール通知したりする機能(IVR機能)が利用できるため、機会損失を減らすことができます。

メリット③|営業効率の向上と成約率アップ

コールトラッキングツールで取得した顧客情報は、営業活動にも活用可能です。データによりターゲティングの見直しや営業戦略の刷新などPDCAが回せるため、顧客ターゲティングの精度向上につながり、成約率がアップします。

例えば、顧客の属性や興味関心に基づいた営業活動を行うことで、成約率の向上につなげることが期待できます。

また、顧客との通話内容を記録することで、営業担当者間で情報共有をスムーズに行い、より効率的な営業活動を実現可能です。

コールトラッキングの導入にかかる費用相場

コールトラッキングの導入費用はツールやプランによって異なりますが、一般的には月額5,000円〜30,000円が相場と言われています。

月額料金のほかに初期費用がかかる場合もあるため、複数の業者から見積もりを取って比較してみましょう。

各社のコールトラッキングツールを比較

ここからは、各社のコールトラッキングツールを5つご紹介します。

▼各社のコールトラッキングツール
  • ツール①|株式会社コムスクエア「CallTracker」
  • ツール②|株式会社ログラフ「Call Data Bank(コールデータバンク)」
  • ツール③|株式会社ニアメロ「コールアドバンテージ」
  • ツール④|フリービット株式会社「AdSiP」
  • ツール⑤|楽天コミュニケーションズ株式会社「コール・インテリジェンス」

ツール①|株式会社コムスクエア「CallTracker」

株式会社コムスクエアの「CallTracker」は、国内初・実績No.1のコールトラッキングサービスです。

月額1万円〜、無制限のトラッキング番号で成果を細かく分析することができます。

サービス名CallTracker
企業名株式会社コムスクエア
費用・050番号プラン、0800番号プラン:10,000円/月
・0078番号プラン、0120番号プラン:20,000円/月
電話番号050-1860-1803
HPhttps://www.calltracker.jp/

ツール②|株式会社ログラフ「Call Data Bank(コールデータバンク)」

株式会社ログラフの「Call Data Bank(コールデータバンク)」は、電話の成果を見える化して広告の運用改善ができるコールトラッキングツールです。

コールトラッキングでは、実際に発生した電話(実入電)と広告媒体のIDを正確に計測し、そのデータを広告媒体に連携させることで、機械学習による効果的な広告配信に役立てることができます。さらに、機能は常にアップデートされており、直近のバージョンではLINE広告からの電話計測にも対応しています。

サービス名Call Data Bank(コールデータバンク)
企業名株式会社ログラフ
費用<番号費用>
・050番号プラン:10,000円/1,500セッション、その後1,500セッションごとに10,000円課金
・0800番号プラン:25,000円/1,500セッション、その後1,500セッションごとに20,000円課金
・0120番号プラン:50,000円/1,500セッション、その後1,500セッションごとに30,000円課金
<通話費用>
・050番号プラン:10円/分
・0800/0120番号プラン:30円/3分(固定発信)、30円/分(携帯発信)
電話番号0120-012-555
HPhttps://call.omnidatabank.jp/

ツール③|株式会社ニアメロ「コールアドバンテージ」

株式会社ニアメロの「コールアドバンテージ」は、独自のAI技術を使って計測を行うコールトラッキングツールです。

導入コストを徹底削減し、業界最安値・最短導入を実現しており、タグをLPに埋め込むだけで最短1営業日で導入が可能です。

サービス名コールアドバンテージ
企業名株式会社ニアメロ
費用月額9,800円〜
電話番号非公開
HPhttps://call-popup.com/call-advantage/

ツール④|フリービット株式会社「AdSiP」

フリービット株式会社の「AdSiP」“この電話、どの媒体を見てかけてきたの?”を見える化するコールトラッキング(電話効果測定)サービスです。

キーワード計測やGoogle Analytics、Google 広告、Yahoo! 広告との自動連携も可能で、広告運用を最適化できます。

サービス名AdSiP
企業名フリービット株式会社
費用◾️基本プラン
<初期費用>
・初期登録料:50,000円
・番号取得料:0円〜1,000円
<月額費用>
・システム基本料:50,000円
・番号使用料:50円〜950円
・通話料:従量課金
電話番号0120-112-417
HPhttps://adsip.freebit.com/

ツール⑤|楽天コミュニケーションズ株式会社「コール・インテリジェンス」

楽天コミュニケーションズ株式会社の「コール・インテリジェンス」は、効果測定用の電話番号を掲載するだけで、『いつ・どこから・どれだけ・どのように電話が着信したか』をリアルタイムに取得し、把握することができるツールです。

通信キャリアだからこそ、他社に比べて圧倒的に早く、安く、電話番号を提供することができます。

サービス名コール・インテリジェンス
企業名楽天コミュニケーションズ株式会社
費用要見積もり
電話番号0800-805-0016
HPhttps://comm.rakuten.co.jp/houjin/ci/

まとめ

今回の記事では、コールトラッキングとは何か、仕組みやメリットと併せてご紹介しました。また、コールトラッキングツールの比較も行いました。

コールトラッキングを活用することで、オンラインはもちろん、オフラインの広告でも測定・分析が可能になります。

自社のサービスが電話対応をメインとしている場合や、チラシや新聞広告などのオフライン広告を出稿している場合は、コールトラッキングツールを活用してみてはいかがでしょうか。

各社のサービスは、それぞれ特徴や費用が異なりますので、複数社を比較してみて自社に合うサービスを見つけてみてください。