リスティング広告の成果が出ない原因チェックリスト|特定方法や成功事例について徹底解説。

弊社は、リスティング広告の成果が出ないことに困っている企業様をこれまで多く見てきました。そうした際にまず実施すべきは、現状の把握と原因特定に向けた動きです。また、成果が出ない原因は以下の3点にまとめられます。

リスティング広告は、適切な戦略と運用を行えば、高い費用対効果を発揮します。しっかり原因を特定してPDCAサイクルを回せば成果を出すことができます。

しかし、成果が出ない原因は多岐にわたり、闇雲に対策をしても効果が出ないどころか、さらなる予算の無駄遣いにつながりかねません。

本記事では、リスティング広告で成果が出ない原因を広告・LP・外部の3つの側面から徹底的に解説します。

▼この記事でわかること
  • リスティング広告の成果が出ない原因と対策方法
  • リスティング広告が成果が出ない原因の特定方法
  • リスティング広告の成果が出ない中から逆転をした事例

さらに、成果を改善するための具体的な方法や、成功事例もご紹介します。この記事を読めば、あなたのリスティング広告の成果を劇的に改善するためのヒントが得られるでしょう。

リスティング広告の成果が出ない原因と対策方法

成果が出ない原因は、「広告」「LP」「外部」の3つの要素に分解することができます。ここでは、リスティング広告の成果が出ない原因を徹底的に解説し、具体的な対策方法や成功事例を紹介します。

▼リスティング広告の成果が出ない原因と対策方法
  • 原因①|広告側の問題
  • 原因②|LP側の問題
  • 原因③|外部的要因

原因①|広告側の問題

広告側の問題として、主に以下の6つが挙げられます。

  • キーワード選定のミスマッチ
  • 広告文の訴求力不足
  • ターゲティング設定の失敗
  • 品質スコアの低さ
  • 予算不足
  • 広告運用担当者の情報がアップデートされていない

1. キーワード選定のミスマッチ

キーワード選定のミスマッチとは、ターゲット層が検索する可能性の低いキーワードを選定していたり、競合性が高すぎるキーワードに偏っていたりする状態です。

キーワードのミスマッチを防ぐためには、除外キーワードの適切な設定が不可欠です。例えば、自社で扱っていない商品やサービスに関するキーワードを登録しておくことで、関連性の低い検索に広告が表示されるのを防ぎ、クリック単価の上昇やコンバージョン率の低下を防ぐことができます。

また、定期的に広告の成果を分析し、成果の悪いキーワードを特定して停止することも重要です。費用対効果の低いキーワードに広告費を費やすことは無駄であり、全体の広告パフォーマンスを低下させる原因になります。

対策としては、以下の3点が挙げられます。

  • 競合が獲得しているキーワードを調査する
  • 検索ボリュームや競合性を加味した上で、適切なキーワードを選定する
  • 潜在層にアプローチできるキーワードも組み合わせる

2. 広告文の訴求力不足

広告文の訴求力不足とは、広告文がターゲットのニーズに刺さっておらず、ユーザーのクリック意欲を掻き立てられない状態です。

例えば、広告文が「〇〇を販売中!」というありきたりな表現だけでは、他の広告との差別化が難しく、クリック率が低くなってしまいます。対策としては、以下の3点が挙げられます。

  • ターゲット層の抱える悩みや課題を解決できるようなベネフィットを具体的に記載する
  • 競合他社の広告文を分析し、自社の強みを打ち出した差別化を図る
  • 行動を促す言葉(例:今すぐ資料請求!)などを加え、クリック率を高める

キーワードと広告文の関連性は、後述する品質スコアにも影響します。上記の対策と合わせて、広告文の訴求内容を見直しましょう。

3. ターゲティングや配信時間帯、曜日の設定ミス

リスティング広告では、誰に、いつ、どのタイミングで広告を見せるかが重要です。

広告を表示するターゲティング設定が適切でないと、そもそも興味のないユーザーに広告が表示されてしまい、クリックに繋がりません。

また、配信時間帯や曜日設定が適切でないと、ユーザーがオンライン上にいない時間帯に広告が表示され、機会損失に繋がります。これらの設定を見直すことで、より多くの見込み顧客に広告を届け、流入を増やすことができる可能性があります。

  • 年齢、性別、地域、興味関心など、自社のターゲット層に合った詳細なターゲティング設定や配信スケジュール設定を行う
  • 広告配信後のデータ分析に基づき、ターゲティング設定や配信スケジュールを定期的に見直す

4. 品質スコアの低さ

品質スコアとは、Googleが広告の品質を評価するための指標です。

広告の品質とは、検索広告をユーザーが目にした際のエクスペリエンスと、ランディング ページへ進んだユーザーに提供されるエクスペリエンスの質を推定したものです。広告の品質評価の結果は、品質スコアでわかります。

引用元:品質スコアについて – Google 広告 ヘルプ

品質スコアが低いと、広告の表示順位が下がり、クリック率及びクリック単価が低下する原因となります。

品質スコアは、主に以下の3つの要素によって決まります。

  • 広告のクリック率
  • キーワードと広告の関連性
  • ランディングページの利便性

対策としては、以下の3点が挙げられます。

  • 広告文を改善し、クリック率を高める
  • キーワードと広告文の関連性を高める
  • ランディングページの読み込み速度を改善したり、コンテンツを充実させたりする

広告文を改善し、クリック率を高めるにはメリットを明確にしてユーザーに行動を促す言葉を盛り込むようにしましょう。また、競合他社にはない独自の強みをアピールすることも重要です。

また、キーワードと広告文の関連性を高めるには、広告グループごとに適切なキーワードを設定し、そのキーワードと関連性の高い広告文を作成しましょう。さらに、広告グループを細かく分けることで、よりキーワードと広告文の関連性を高めることができます。

5. 予算不足

予算不足とは、広告の表示に必要な予算が不足している状態です。

例えば、1日の予算を1,000円に設定している場合、競合が多いキーワードでは、すぐに予算が上限に達し、広告が表示されなくなってしまう可能性があります。対策としては、以下の2点が挙げられます。

  • 広告予算を見直し、増額する
  • 広告配信後のデータ分析に基づき、費用対効果の高いキーワードやターゲティング設定に予算を集中させる

6. 広告運用担当者の情報がアップデートされていない

広告担当者の情報アップデート不足は、リスティング広告の成果を大きく左右します。プラットフォームの仕様変更への対応の遅れや、P-MAXなどの新しい広告メニューを活用しないことによる機会損失、画像アセットやサイトリンクなどの広告表示オプションの設定不足など、様々な問題を引き起こします。

結果として、広告パフォーマンスの低下や競合との競争力低下を招き、期待する成果を得られない可能性があります。常に最新情報を把握し、新しい知識やスキルを身につけること、そして広告表示オプションを最大限に活用することが、リスティング広告の成功には不可欠です。

原因②|LP側の問題

LP側の問題として、主に以下の4つが挙げられます。

  • ファーストビューで惹きつけられない
  • LPの読み込み速度が遅い
  • コンテンツの魅力不足
  • コンバージョン導線が微妙

1. ファーストビューで惹きつけられない

ファーストビューとは、ユーザーがLPにアクセスした際、最初に目にする画面上部の領域のことです。ファーストビューでユーザーの興味を引けなければ、すぐに離脱されてしまい、コンバージョンに繋がりません。

例えば、ファーストビューに魅力的なキャッチコピーや画像がない、広告の内容とLPの内容が一致していないといった場合、ユーザーは「このページは違う」と感じて離脱してしまいます。

対策としては、以下の3点が挙げられます。

  • ターゲット層の興味を引くようなキャッチコピーや画像を設置する
  • 広告の内容とLPの内容を一致させる
  • ファーストビューに自社の強みやアピールポイントを分かりやすく記載する

2. LPの読み込み速度が遅い

LPの読み込み速度が遅いと、ユーザーをイライラさせ、離脱率を高める原因になります。 さらに、ユーザーの満足度を下げるだけでなく、広告の品質評価にも悪影響を及ぼす可能性があります。

Googleの調査によると、モバイルページの読み込み時間が3秒以上かかると離脱率が53%に登ると言われています。

モバイル サイトの読み込みに 3 秒以上かかると、訪問の 53% が放棄されます。

53%of visits are abandoned if a mobile site takes longer than 3 seconds to load.

引用元:Mobile site load time statistics – Think with Google

対策としては、以下の3点が挙げられます。

  • 画像のサイズを最適化する
  • 不要なコードやスクリプトを削除する
  • キャッシュ機能を活用する

3. コンテンツの魅力不足

コンテンツの魅力不足とは、LPに掲載されている情報がユーザーのニーズを満たしていない、もしくは魅力的に伝えられていない状態です。

例えば、商品のメリットや特徴が分かりにくい、競合他社との差別化が明確でない、といった場合、ユーザーは購入意欲が湧かず、離脱してしまう可能性があります。対策としては、以下の3点が挙げられます。

  • ターゲット層のニーズに合った情報を提供する
  • 商品のメリットや特徴を分かりやすく伝える
  • 競合他社との差別化を明確にする

4. コンバージョン導線が微妙

コンバージョン導線とは、ユーザーをコンバージョン(購入、資料請求、問い合わせなど)に導くための道筋のことです。

例えば、コンバージョンボタンが分かりにくい場所にある、フォームの入力項目が多すぎる、といった場合、ユーザーは途中で離脱してしまう可能性があります。対策としては、以下の3点が挙げられます。

  • コンバージョンボタンを目立つ場所に設置する
  • フォームの入力項目を必要最低限にする

原因③|外部的要因

外部的な問題として、主に以下の2つが挙げられます。

  • 市場競争が激しい
  • 季節的な変動によるもの

1. 市場競争が激しい

市場競争が激しい場合、競合他社も同じキーワードで広告を出稿している可能性が高く、広告の表示順位が下がる、クリック単価が高騰するといった問題が発生しやすくなります。

例えば、人気の美容家電を販売する場合、「美容家電」といったビッグキーワードでの競争が激しく、広告費用が高額になる傾向があります。その他、保険や金融、不動産業界、人材業界などがあげられます。

これらの業界で広告を運用する場合、以下の3点に留意することで効果を高めることができます。

  • ニッチなキーワードを狙う
  • 広告の品質を高める
  • 広告以外の集客施策を検討する

2. 季節的な変動によるもの

季節的な変動とは、季節やイベントなどによって、ユーザーの検索意図や購買行動が変化する現象です。

例えば、浴衣を販売する場合、夏以外の季節は需要が低いため、広告を出稿しても成果が出にくい可能性があります。

対策としては、以下の2点が挙げられます。

  • 季節に合わせたキーワードを選定する
  • 広告の内容を季節に合わせる

リスティング広告の成果が出ない原因の特定方法

リスティング広告が成果を出せない原因を特定するには、以下の4つの分析が有効です。

以下の表にまとめましたので参考までに見てみてください。

▼リスティング広告が成果が出ない原因の特定方法
  • 方法①|広告アカウントのパフォーマンスデータ分析
  • 方法②|キーワード分析
  • 方法③|広告文分析
  • 方法④|ランディングページ(LP)分析

方法①|広告アカウントのパフォーマンスデータ分析

広告アカウントのパフォーマンスデータ分析では、広告アカウント→広告キャンペーン→広告グループと粒度を落としてみていきましょう。これにより、ボトルネックを全体感を掴みながら特定することができます。

これができたら、インプレッション数、クリック数、クリック率(CTR)、コンバージョン数、コンバージョン率(CVR)、費用対効果(CPA)などの指標を時系列で確認します。これらの指標を分析することで、

  • どの期間に成果が低下したのか
  • どの指標が特に悪化しているのか

といったことが明らかになります。

例えば、特定の期間にクリック率が大幅に低下している場合は、広告文の訴求力不足やターゲティング設定の誤りが疑われます。

方法②|キーワード分析

キーワード分析では、検索クエリレポートやキーワードプランナーなどを活用し、以下の項目を確認します。

  • どのキーワードで広告が表示されているか
  • どのキーワードのクリック率やコンバージョン率が高い(または低い)か
  • 競合他社がどのキーワードで広告を出稿しているか

これらの情報から、

  • キーワード選定のミスマッチ
  • 競合性の高いキーワードへの過度な依存

といった問題を特定できます。

例えば、特定のキーワードでクリック率が極端に低い場合は、キーワードと広告文の関連性が低い、またはターゲット層が求める情報と異なる可能性があります。

▼検索キーワードと検索クエリ
  • ​​検索キーワードは、主にマーケティング担当者や広告運用者が、自社の商品やサービスに関心を持つユーザーをターゲティングするために設定する単語やフレーズ。
  • 検索クエリは、ユーザーが実際に検索エンジンに入力する単語やフレーズ

方法③|広告文分析

広告文分析では、広告のタイトル、説明文、表示URLなどを確認し、以下の点に着目します。

  • ターゲット層の興味を引く訴求ができているか
  • 競合他社の広告文と比較して差別化できているか
  • 表示回数とパフォーマンスを分析する

特に表示回数とパフォーマンスを分析することで、最適な広告文を見つけることが可能です。

表示回数は、広告がユーザーに表示された回数を示す指標で、広告のリーチを測るのに役立ちます。一方、パフォーマンスは、クリック率やコンバージョン率など、広告がどれほど効果を発揮したかを示す指標です。

これらの指標を組み合わせることで、どの広告文が多くのユーザーに表示され、かつ高い効果(クリックやコンバージョン)に繋がっているかを判断できます。

これを踏まえ、複数の広告アセットを作成し、ABテストを実施することも重要です。ABテストでは、異なる広告文を同時に配信し、どちらがより高いパフォーマンスを発揮するかを比較します。これにより、効果的な広告文の特徴を特定し、継続的な改善に繋げることができます。

方法④|ランディングページ(LP)分析

LP分析では、ヒートマップツールやアクセス解析ツールなどを活用し、以下の項目を確認します。

  • ユーザーがどこで離脱しているか
  • ファーストビューでユーザーの興味を引けているか
  • コンバージョンに至るまでの導線がスムーズか

LP分析を通じて、

  • LPの読み込み速度の遅さ
  • コンテンツの魅力不足
  • コンバージョン導線の分かりにくさ

といった問題を特定できます。例えば、ファーストビューに魅力的なキャッチコピーや画像がない、LPのコンテンツがターゲット層のニーズと合っていないといった場合は、ユーザーがすぐに離脱してしまう可能性があります。

プロが実践するリスティング広告で逆転するための施策

ここまで、リスティングの課題とそれに対する理論的な対策方法について解説してきました。ここでは、プロがよく実践するリスティング広告の成果を逆転に導く手法について解説していきます。

▼逆転するための施策
  • 施策①|直近獲得済みの検索クエリを活用した新規キャンペーン作成
  • 施策②|多角的なABテストを実施
  • 施策③|tCPA(目標コンバージョン単価)の細やかな日次調整
  • 施策④|入札戦略変更
  • 施策⑤|マイクロコンバージョンの設定
  • 施策⑥|コンバージョン先の種類を増やす

施策①|直近獲得済みの検索クエリを活用した新規キャンペーン作成

既存のキャンペーンで獲得できている検索クエリを分析し、それらを活用して新規キャンペーンを作成することで、より効果的な広告配信が可能になります。

具体的には、コンバージョンにつながっている検索クエリを抽出し、それらをキーワードとして設定した広告グループを作成します。これにより、より関連性の高い検索に広告が表示され、クリック率やコンバージョン率の向上が期待できます。

施策②|多角的なABテストを実施

広告文やランディングページのデザイン、キャッチコピーなどを複数パターン作成し、ABテストを実施することで、より効果的なクリエイティブを特定することができます。

例えば、広告文の表現を変えたり、ランディングページのレイアウトを変更したりすることで、クリック率やコンバージョン率にどのような影響があるかを検証します。ABテストの結果を分析し、より効果的なパターンを採用することで、広告パフォーマンスの改善に繋げることができます。

施策③|tCPA(目標コンバージョン単価)の細やかな日次調整

tCPA(目標コンバージョン単価)とは、1件のコンバージョンを獲得するためにかける費用の目標値です。tCPAを適切に設定し、日次で調整することで、費用対効果を最大化することができます。

例えば、コンバージョンが少ない場合はtCPAを引き上げ、コンバージョンが多い場合はtCPAを引き下げるといった調整を行います。市場の状況や競合の動向に合わせてtCPAを調整することで、常に最適な広告運用が可能になります。

施策④|入札戦略変更

手動入札から自動入札への切り替えや、ROAS(広告費用対効果)重視からコンバージョン値重視への変更など、入札戦略を変更することで、広告パフォーマンスを改善できる可能性があります。

自動入札は、機械学習を活用して最適な入札単価を自動で調整してくれるため、手動での調整に比べて効率的かつ効果的な運用が期待できます。また、コンバージョン重視の入札戦略は、コンバージョン単価だけでなく、コンバージョン後の顧客生涯価値(LTV)も考慮した入札を行うため、より長期的な視点での広告運用が可能になります。

施策⑤|マイクロコンバージョンの設定

コンバージョンが少ない場合は、資料請求や購入といった最終的なコンバージョンだけでなく、資料ダウンロードやお問い合わせといった小さな目標設定であるマイクロコンバージョンを設定することで、広告効果を測定しやすくなります。

マイクロコンバージョンを設定することで、ユーザーの行動をより細かく把握でき、改善点を見つけやすくなります。例えば、閲覧数が多いのに資料請求が少ない場合は、請求フォームに改善の余地があると考えられます。

施策⑥|コンバージョン先の種類を増やす

コンバージョンに至る選択肢を増やし、ユーザーがより自然な流れでアクションを起こせるよう促します。

具体的には、検討段階のユーザーにもアプローチできるデジタルパンフレットの活用、LINE追加など気軽にコンタクトできる手段の導入、そして入力フォームの離脱を防ぐEFOなどが有効です。これらの施策により、ユーザーの状況や好みに合わせたアプローチが可能となり、CVR向上に貢献します。

まとめ

リスティング広告の成果を最大化するためには、原因の特定と改善策の実行が不可欠です。本記事で紹介した3つの側面からの原因分析と具体的な対策方法、そしてデータ分析に基づいた改善策の実行は、広告効果を向上させるために重要な一歩となるでしょう。

リスティング広告は、適切な運用と改善を続けることで、長期的なビジネス成長に大きく貢献する強力なツールです。

ぜひ、本記事の情報を参考に、自社のリスティング広告戦略を見直し、さらなる成果を目指してください。